鎮守 秋葉三尺坊大権現
鎮守 秋葉三尺坊大権現
明和二年 (1765年) 中津川 大津屋菅井家より寄進されたものである。
大津屋菅井儀右衛門は、遠州秋葉大権現を最も信奉され、毎年参拝を怠ることがなかった。
享保十一年三月(1726年)菅井氏ほか二名(二名は商用のため)川北へ行く途中、知原川で洪水に遇い、掛け橋と共に三人は流された。
二名は不帰の客となったが、菅井氏は不思議にも村人に助けられた。
その後、村人から、どこからともなく白髪の山伏行者が現れ「今、水難に逢ふ人あり、早く行き助けよ!」と告げて、その姿は消失した。 と聞かされ、これは日頃、自分が信仰する秋葉大権現のご利益に違いないと深く感じ、その年に、尊像を迎請して自宅に祀った。しかし、不思議な霊夢を感じて、在家で祀ることを恐れて当山へ寄進されたものである。
秋葉三尺坊大権現の現世利益祈願は2種類ある。一つは、刀鍛冶等が信仰する火を興すもの、つまり商売繁盛・家道興隆につながる。
もう1つは、火伏せ(火盗潜消)である。財産を焼き尽くす火を消すこと、これは家内安全・交通安全にもつながる。
有名な火祭りで、遠州秋葉神社の火祭り、高尾山の火祭りがあるが、元々は山岳信仰から始まっている。新潟黒姫山の山伏がカラス天狗と共に伝えたもので、天竜川を下ったものが秋葉神社、甲州街道を下ったものが高尾山である。秋葉三尺坊大権現、道了尊(商売の神様)は、双方カラス天狗が化身となって白キツネに乗っている。
大きな違いは「白ヘビ」である。白ヘビがいるものが秋葉大権現である。