誕生釈迦如来立像 (中津川市重要文化財)
中津川市重要文化財 昭和46年 指定
誕生釈迦如来立像
釈迦如来を象った仏像は、大きく5種類に分類される。誕生仏・苦行仏・成道仏・説法仏・涅槃仏といった種類です。
因みに、観音様の姿は、釈尊青年時代の王子の姿がモデルになっていると言われています。
誕生仏は、4月8日の花祭りで馴染み深く、花御堂のお釈迦様に甘茶をかけてお祝いをする行事が好例となっています。
釈尊は、摩耶夫人の右脇下から出生し、7歩あゆまれて天と地を指さし「天上天下唯我独尊」と言われた伝説があります。
当山の誕生釈迦如来立像は、江戸時代苗木遠山藩主が命じて造像され、菩提寺の寺仏として祀られていました。
明治維新と共に吹き荒れた「廃仏毀釈令」(藩の決定)の波に呑まれ、家臣が持って逃げた経緯が確認されています。
しかし、美術品として在家に祀ると、ことごとくその家が衰退し没落しました。
数奇な運命を経て、伊深正眼寺に祀られていたものを、地元苗木の人たちによる懇情によって貰い受け、当山に納められました。
明治維新を歴史的に物語る貴重な仏像であります。
特徴としては、高さ84センチ、重さ30キロ、頭が螺髪ではなく、天上天下を指す指が1本であり、腰ひもを垂らしておられる点である。
また、歴史的誕生仏としては日本最大の物であります。